メトロニダゾール(内服/外用)|トリコモナス・嫌気性菌
メトロニダゾール(Metronidazole)|トリコモナス・嫌気性菌に
トリコモナス(T. vaginalis)や嫌気性菌に有効な抗菌薬です。
※単純性膀胱炎など通常の尿路感染症には原則として用いません(病原菌が異なるため)。
要点
- 適応:トリコモナス(尿道炎/膣炎)、細菌性膣症(BV)、嫌気性菌関連感染の補助 など
- 使わない場面:多くの単純性尿路感染(膀胱炎・腎盂腎炎)では原因菌が異なるため第一選択ではありません
- 相互作用:ワルファリン、ジスルフィラム、アルコール(飲酒)は特に注意
- パートナー治療:トリコモナスはパートナー同時治療が再感染予防に重要
用法・用量(概要)
トリコモナス(T. vaginalis)
- 女性:メトロニダゾール500mgを1日2回×7日間(推奨)
- 男性:メトロニダゾール2g単回(推奨)
- ※治療中は性行為を避け、性パートナーも同時に治療してください。女性は約3か月後に再検が推奨。
細菌性膣症(BV)
- 内服:メトロニダゾール500mgを1日2回×7日間
- 外用:メトロニダゾール0.75%ゲル 1日1回×5日間(婦人科領域)
※個別の体質・併用薬・腎/肝機能で変更あり。自己判断の内服は避け、受診のうえ決定してください。
飲酒・相互作用・禁忌
- 飲酒:内服中および終了後48〜72時間はアルコールを避けてください(嘔気/動悸/顔面紅潮など予防のため)。
- 相互作用:ワルファリン(INR上昇・出血リスク)、ジスルフィラム(併用禁忌:意識障害/精神症状)、一部の抗てんかん薬/胃薬/免疫抑制薬など。
- 妊娠/授乳:妊娠中のトリコモナス治療は状況に応じて実施(内服内容は医師判断)。授乳は単回大量投与後は一時中断など個別指示。
※飲酒回避の目安やINRモニタリング等は、処方時に医師が個別に指示します。
よくある質問
- Q. トリコモナスはジェル/膣錠で治りますか?
- A. 尿道/腺にも及ぶため全身投与(内服)が基本です。ゲル単独は推奨されません。
- Q. 再発を繰り返します…
- A. パートナー未治療の再感染が多いです。性行為は治療完了・症状消失まで控え、女性は約3か月後の再検を。
- Q. 尿路感染(膀胱炎)でも使いますか?
- A. いいえ。一般的な膀胱炎の原因菌(大腸菌など)には向きません。膀胱炎総論をご参照ください。
持ち物:検査結果(あれば)、常用薬、既往歴/症状の始まり方のメモ
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関連リンク
注意事項
- 本ページは一般向け解説です。処方内容は医師が個別決定します。自己判断の内服は避けてください。
- 妊娠・授乳・高齢・腎/肝機能障害・抗凝固薬内服中などは、必ず受診時に申告してください。
- 飲酒は内服中および終了後48〜72時間は避けてください。
