梅毒(Syphilis)|症状・検査・治療|0th CLINIC 日本橋
梅毒(Syphilis)
梅毒は、Treponema pallidum(梅毒トレポネーマ)による感染症です。 初期には痛みの少ないしこりや潰瘍、その後に全身の発疹がみられることがありますが、 症状が自然に消える時期もあり、見た目だけで判断することはできません。
診断は主に血液検査で行い、症状・感染機会・過去の治療歴とあわせて判断します。 早期に適切な治療を行うことが大切です。
当院では現在、ベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤(ステルイズ®)の在庫がありません。 同製剤は全国的な供給制限が続いており、240万単位製剤についても在庫消尽後の出荷停止が案内されています。 他院の在庫は日々変動するため、東京都内の在庫状況を一律にご案内することはできません。
現在も多くの梅毒が報告されています
国内では梅毒の報告が引き続き多い状況です。国立健康危機管理研究機構(JIHS)は 2026年7月にも国内の届出状況を更新しています。 性別や年齢にかかわらず感染する可能性があり、症状がなくても検査で見つかることがあります。
梅毒は感染症法上の5類感染症で、診断した医師には届出が義務づけられています。 医療機関から保健所へ法令に基づいて届出を行います。
梅毒の主な症状
初期
感染部位に、痛みの少ないしこりや潰瘍ができることがあります。 性器だけでなく、口腔などに生じることもあります。
その後
体幹や手のひら、足の裏を含む全身に発疹がみられることがあります。 発熱、倦怠感、リンパ節腫脹などを伴う場合もあります。
無症状の時期
症状が自然に軽くなっても、感染が治ったとは限りません。 自覚症状のない潜伏梅毒として経過することがあります。
眼梅毒・耳梅毒・神経梅毒を考える必要があります。通常の外来内服治療とは対応が異なるため、 専門医療機関での評価が必要です。
検査について
RPR
梅毒の活動性や治療後の変化を見るために用います。 治療後はRPRの値がどのように低下していくかを確認します。
TP抗体
梅毒トレポネーマに対する抗体を調べます。 一度感染すると、治療後も長期間陽性が続くことがあります。
RPRとTP抗体は原則として組み合わせて評価します。 感染から間もない時期では血液検査が陰性のことがあるため、 感染機会や症状によっては一定期間をあけて再検査します。
病変がある場合には、施設や検査条件によって梅毒トレポネーマPCRを検討することがあります。 また、感染機会に応じてHIV、淋菌、クラミジア、B型・C型肝炎などをあわせて検査します。
治療について
日本性感染症学会の「性感染症 診断・治療ガイドライン2026」では、 梅毒の治療はペニシリン系抗菌薬を基本とし、病期や妊娠の有無、 神経・眼・耳症状の有無などによって治療方法を選択します。
| 状況 | 治療の考え方 |
|---|---|
| 早期梅毒 | 持続性ペニシリン筋注または経口ペニシリン系抗菌薬が治療選択肢になります。 2026年版ガイドラインでは、経口アモキシシリン4週間も選択肢として示されています。 |
| 当院での現在の対応 | ステルイズ®の在庫がないため、病期や既往歴、ペニシリンアレルギーなどを確認し、 アンピシリン内服を選択することがあります。 用量・投与期間は診察時に個別に決定します。 |
| 期間不明・晩期梅毒 | 病期を確認したうえで、必要な治療期間を設定します。 注射治療が必要と判断した場合には、供給状況も踏まえて専門医療機関への紹介を検討します。 |
| 妊娠中 | 胎児への感染予防を含めた適切なペニシリン治療が重要です。 現在の注射製剤の供給状況もあるため、必要に応じて産婦人科・感染症専門医療機関へご紹介します。 |
| 神経・眼・耳梅毒 | 通常の内服治療ではなく、点滴治療を含む専門的な治療が必要です。 疑う所見がある場合は専門医療機関へご紹介します。 |
2025年の自主回収後も供給問題が続き、2026年には60万単位製剤の出荷再開が未定となり、 240万単位製剤についても出荷停止が案内されています。 当院では2026年9月現在、在庫はありません。
治療後の確認
治療後は、症状だけでなくRPRの値の推移を確認します。 フォローの時期は病期や治療内容によって異なるため、診察時にご案内します。
一度治療しても免疫がつくわけではなく、再感染することがあります。 パートナーにも感染の可能性がある場合は、検査・治療が必要です。
よくあるご質問
症状がなくても検査できますか?
ステルイズ®の注射は受けられますか?
注射ができない場合は治療できませんか?
治療が終われば、もう梅毒にはかかりませんか?
参考情報
医師監修
梅毒は、症状が軽くなった時期にも感染が続いていることがあります。 血液検査の結果だけでなく、感染機会、症状、過去の治療歴を合わせて判断することが重要です。
監修:黒田 揮志夫 医師/0th CLINIC 日本橋 院長
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。
