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表情じわマップ:前頭筋・皺眉筋・眼輪筋…“打つべき層”と禁忌

表情じわマップ:前頭筋・皺眉筋・眼輪筋…“打つべき層”と禁忌|0th CLINIC 日本橋

表情じわマップ:
前頭筋・皺眉筋・眼輪筋…“打つべき層”と禁忌

ボトックスは「どの層に・どれだけ」で表情の出方が変わります。本コラムは、患者さまにも伝わる言葉で主要筋ごとの考え方を地図化。適応外や注意が必要な部位は、その理由と代替策も示します(施術は必ず医師の診察のもとで)。

層の基礎:どの深さで効く?

層のざっくり地図

  • 表皮・真皮(超浅層):スキンボトックス/マイクロトキシンで皮脂・毛穴・ちりめん。
  • 皮下〜筋膜直上(浅層):表情筋の表層繊維にやさしく効かせる層。
  • 筋層(深層):表情筋の主働部にしっかり効かせる層。

拡散と“効きすぎ”

  • 拡散半径は濃度・量・部位で変化。薄い層ほど横に広がりやすい点に注意。
  • 初回は最小有効量2–4週で微調整が安全。
  • 左右差・癖・眉位など表情チェックを先に。

※ 手技詳細は医療者向け領域です。本稿は患者さまの理解補助を目的としています。

前頭筋(額):基本は筋層浅め〜中層

額の横じわは前頭筋の収縮で生じます。効かせるほどしわは減りますが、眉が下がる(眼瞼下垂様)リスクが上がるため、眉毛付近を避けて上方でコントロールします。

  • ねらい:動きの均一な弱化(片寄りを作らない)
  • :筋層浅め〜中層/広範囲に薄く
  • 避けるゾーン:眉上約1.5–2cmは控えめ(個別設計)
  • 代替・補助:ちりめん感はスキンボトックス併用も検討

詳しく:額ボトックス

眉間:皺眉筋・鼻根筋(グラベラ複合):深部+浅部のバランス

“怒りしわ”は皺眉筋(内側下方へ引く)鼻根筋(中央に寄せる)の働き。深部の骨付近(内側)と、外側の浅層をバランスよく狙います。

  • ねらい内側は深部で確実に、外側は浅めに広げ過ぎない
  • :内側=深部(骨膜近傍)/外側=浅層
  • 避けるゾーン:眼窩内側へ深く入れすぎると眼瞼下垂リスク
  • 代替・補助:刻まれた深溝は質感治療を併用

詳しく:眉間ボトックス

目尻:眼輪筋(外側部):筋層浅め+骨縁外側

笑いじわ(カラスの足跡)は眼輪筋の外側部が主因。骨縁の外側〜やや外上方に、浅めの層で点在させて効き過ぎを避けます。

  • ねらい:笑顔を残しつつ細かい放射じわを和らげる
  • :筋層浅め/点状分散
  • 避けるゾーン:眼窩内や下眼瞼の過度な注入(閉瞼不全・ドライアイ)
  • 代替・補助:皮膚のちりめん感はマイクロボトックススキンボトックス

詳しく:目尻ボトックス

鼻周り:バニーライン/鼻先下がり:浅層中心(拡散注意)

笑ったときの鼻背の横じわ(バニーライン)は鼻根部の表層筋が関与。浅層で少量が基本です。鼻先の下がりは鼻中隔下制筋・降鼻中隔筋の関与があり、適応評価を慎重に行います。

  • ねらい:最小量で“効きすぎ”を回避
  • :浅層中心
  • 避けるゾーン:上唇の動きへの過度な影響(発音・笑顔)
  • 代替・補助鼻ボトックスで可否を解説/リップフリップ等の選択肢(別ページ化予定)

詳しく:鼻ボトックス

口周り(補足):口角下制筋(DAO)・オトガイ

口角の下がりはDAOの過活動が一因。ごく少量を浅めで。オトガイ(梅干し)はオトガイ筋の表層に少量。発音・飲み込み・笑顔に影響しやすいため初回は控えめが原則です。

イベント前の逆算

  • 目安:注入から2–3週間で安定。初回は3–4週間余裕を。
  • 微調整:2–4週でのご相談が安心。
  • メイク映え:皮脂・毛穴が主因なら スキンボトックス 併用で整えることも。

禁忌・要注意まとめ

禁忌・原則見合わせ

  • 妊娠・授乳中
  • 注入部位の感染・炎症
  • 既往:重症筋無力症/ランバート・イートン症候群等の神経筋疾患
  • 過去のボツリヌストキシン製剤アレルギー

要注意

  • 眼瞼下垂の既往・まぶたの重さ/額は控えめ設計
  • ドライアイ傾向/目周りは浅層・少量
  • 歯ぎしり・食いしばりの相談は咬筋ページへ

本コラムは一般情報であり、施術手技の詳細指導を目的としません。適応・用量・層の選択は医師が診察の上で個別に決定します。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

表情じわマップ:前頭筋・皺眉筋・眼輪筋…“打つべき層”と禁忌
“層”の選び方で自然さは大きく変わります。初回は控えめに、必要なら2–4週で微調整。イベント前は余裕を持って計画しましょう。」
監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/皮膚病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士

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