地震・災害発生直後の行動と受診の目安|災害医療ガイド
地震・災害が発生した直後の行動と
受診の目安
大きな揺れや災害が起きたとき、最初の数分〜数時間の行動が命を左右します。
このページでは、「まず何をするか」「どのレベルで119番・救急車・基幹病院か/クリニックか/自宅で様子を見るか」を、
日本橋・東京駅・茅場町・人形町エリアの医療機関としての視点から整理します。
ここに書かれているのは一般的な目安です。実際には、各自治体・消防・医療機関の指示が最優先となります。
迷ったときは、早めに119番や保健所・相談窓口に連絡してください。
1. まず「安全確保」と「出血・呼吸の確認」
揺れを感じたら、「すぐに動いて避難」ではなく、まず自分の身を守ることが重要です。 無理に移動しようとして、落下物・ガラス・転倒で怪我をするケースも多く報告されています。
① 自分と周囲の「安全確保」
- 頭を守り、落下物から身を守れる場所(机の下・柱のそばなど)に移動する
- 窓ガラスや大型家具から離れ、揺れがおさまるまでは無理に移動しない
- エレベーター使用中に揺れを感じたら、各階のボタンをすべて押し、停止した階で速やかに降りる
- 火を使っている場合は、揺れがおさまってから火元を確認し、必要に応じてガスの元栓を閉める
② 出血・呼吸・意識の確認(一次評価)
自分自身・家族・周囲の人について、次の順番で確認します。
- 大出血はないか(服がすぐに濡れるほどの出血、血の池が広がるなど)
- 呼吸はできているか(胸が上下しているか、苦しそうでないか)
- 呼びかけに反応があるか(名前を呼び、肩を軽くたたいて反応を見る)
ここで大出血・呼吸停止・意識障害があれば、可能な範囲で止血や心肺蘇生を開始しつつ、すぐに119番通報を検討します。 詳しい受診の目安は次の章で説明します。
室内で「頭を守る姿勢をとる人」「テーブルの下でしゃがむ人」と、
近くで倒れた人の呼吸や出血を確認している人を描いた図。
2. 119番・救急車・基幹病院を優先すべき症状(赤レベル)
以下は、一般的に救急車の要請・基幹病院での治療が優先されることが多い症状です。
1つでも当てはまる場合は、迷わず119番を検討してください(通報の際は、状況をできるだけ冷静に伝えましょう)。
- 意識がない、または呼びかけにほとんど反応しない
- 呼吸が苦しそう・ゼーゼーしている・呼吸が止まりそうに見える
- 服がすぐに血で濡れるような大出血(止血してもすぐにあふれてくる)
- 胸を締めつけるような強い痛み・胸の圧迫感が続く
- 片側の手足が動かない、ろれつが回らない、突然の激しい頭痛など脳卒中が疑われる症状
- 高いところからの転落、車にひかれた など、強い外力が加わった場合
- 広範囲のやけど・顔や陰部のやけど・気道熱傷が疑われる場合
- 強い腹痛・嘔吐・血を吐く・黒い便が出る など
※高齢の方・妊娠中の方・重い持病をお持ちの方は、同じ症状でも危険度が高くなる場合があります。
※地域の救急医療体制によって運用は異なるため、最終的な判断は119番や医療機関の指示に従ってください。
日本橋・東京駅周辺では、災害時には災害拠点病院・基幹病院に重症患者が優先的に搬送されます。
軽症で救急外来を受診すると、非常に長い待ち時間となったり、診察自体が難しい場合もあります。
3. 近隣クリニック(0th CLINICなど)に相談したい症状(黄レベル)
命に直接かかわるほどではないものの、早めに診てもらった方がよいと考えられる症状の一例です。
ただし、地震直後はクリニック自体も被災していたり、スタッフが出勤できない場合もあります。
実際に受診できるかどうかは、公式サイトや電話でご確認ください。
- 止血できているが、縫合が必要そうな切り傷(パックリ開いている・長さがある)
- ぶつけた部位の腫れ・痛みが強く、骨折や捻挫が心配な場合
- 手・腕・足など、動かしにくい/体重をかけられない痛みが続く
- 軽〜中等度のやけど(水ぶくれがある・ヒリヒリするなど)
- 擦り傷・打撲が広範囲で、感染や破傷風が心配な場合
- 発熱・咳・下痢・嘔吐などの症状があり、体力や持病を考えると心配な場合
- 持病(糖尿病・高血圧・心不全など)の薬が切れそう/すでに切れてしまった
0th CLINIC 日本橋で想定している役割(状況により変化)
- 徒歩圏内の方の、軽〜中等度の怪我・やけど・皮膚トラブル・発熱などの初期診療
- 糖尿病・高血圧・心疾患など、持病の薬の継続や調整の相談
- 「これは救急車レベルか?」「どの病院に行けばよいか?」といった迷いへの助言
- 必要時には、災害拠点病院などへの紹介・情報提供を行う
※実際の診療体制は、建物の被害状況・停電・スタッフの確保などによって変化します。
※受診前に、可能であれば公式サイトや電話で診療状況をご確認ください。
4. 自宅で様子を見てもよいと考えられる一例(緑レベル)
災害直後は、医療機関のキャパシティが限られるため、明らかに軽い症状は自宅で様子を見ることも重要です。
ただし、自己判断に不安がある場合や、症状が悪化していく場合は、迷わず119番や医療機関に相談してください。
- 軽い打撲で、腫れや痛みが小さく、普通に歩ける・動かせる
- 数分で止まった小さな切り傷・擦り傷(出血が少量・浅いもの)
- 軽い頭痛・肩こり・筋肉痛など、休息や市販薬で改善しそうな症状
- 一時的な不安・動悸・涙が出るなど、強いストレス反応と思われる状態
- 持病はあるが、薬はまだ数日分以上の余裕があり、体調も安定している
※頭をぶつけたあとでも、意識がはっきりしていて、吐き気・けいれん・しびれなどがない場合は、経過観察となることがあります。
ただし、少しでも不安があれば、時間をおいて症状が出てこないか注意深く観察し、異変があれば受診・相談してください。
メンタル面の不調(眠れない・不安が続く・フラッシュバックなど)は、
直後には「気合いで乗り切る」ことが多いですが、数日〜数週間後に目立ってくる場合もあります。
落ち着いたタイミングで、かかりつけ医や精神科・心療内科、自治体の相談窓口などに頼ることも大切です。
5. 停電・断水・交通麻痺が起きたときの「受診前チェック」
地震の規模によっては、電車の運休・道路の渋滞・エレベーター停止・停電・断水が同時に起こりえます。
受診を決める前に、次のようなポイントを確認しておきましょう。
① 来院手段(徒歩圏かどうか)
- 徒歩で安全に往復できる距離か(瓦礫・ガラス・液状化などの危険はないか)
- 公共交通機関が止まっている場合、無理に遠方の医療機関を目指さない
- 夜間・悪天候時は、明るく安全なルートが確保できるか
② 建物・エレベーターの状況
- 高層階にお住まいでエレベーターが止まっている場合、階段での昇降が体力的・安全的に可能か
- 持病や足腰の状態から見て、往復で体調悪化・転倒のリスクが高くないか
- マンション・オフィスビル自体に大きな損傷がないか
③ クリニック側の状況
- 公式サイト・SNS・電話などで診療の有無・時間・受付方法を確認
- 停電中は、検査機器やレントゲンが使えない場合がある
- 断水時は、手術や処置が制限されることがある
④ それでも「行くべきか?」の判断
- 上記を踏まえても、症状が心配・明らかに悪化傾向なら、無理のない範囲で受診を検討
- 迷う場合は、まず電話で症状を伝え、受診の必要性やタイミングを相談する
自力での受診が危険だと判断される場合(長距離歩行が必要・階段昇降が困難・転倒リスクが高いなど)は、
無理をせず、119番で救急相談を行うか、自治体の支援情報を確認してください。
6. 関連ページ・症状ページへのリンク
地震・災害に備えるには、平時の準備・症状別の受診目安・トリアージの考え方をセットで理解しておくと役立ちます。
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。
