過活動膀胱(Overactive Bladder|OAB)

頻尿・強い尿意(切迫感)が気になる方へ

「トイレが近い」「急に行きたくなって我慢しづらい」「間に合わず漏れてしまうことがある」— その症状は過活動膀胱(OAB)かもしれません。OABSSで現在の状態を1–2分でチェックし、受診の目安を確認しましょう。

  • 4つの質問に答えるだけ(所要 約1–2分
  • 合計スコア(0–15点)と重症度が分かります
  • OABの目安:Q3が2点以上かつ合計3点以上

※本チェックは目安です。診断・治療は医師の診察に基づいて行います。

OABSS 質問(過去1か月)

該当する選択肢を1つ選んでください。下の「合計を計算」で結果が表示されます。

Q1. 日中(起床後〜就寝まで)の排尿回数は?

Q2. 夜間、就寝後から起床までにトイレに起きる回数は?

Q3. 我慢しにくい強い尿意(尿意切迫)はどれくらいありますか?

Q4. 尿意切迫とともに、間に合わずに漏れてしまうことは?(切迫性尿失禁)

OABの目安:Q3(尿意切迫)が2点以上 かつ 合計3点以上
重症度の目安:軽症 3–5 / 中等症 6–11 / 重症 12–15
※本チェックは目安です。診断・治療は医師の診察に基づきます。
病院の診療時間は、お知らせをご覧ください。

過活動膀胱(Overactive Bladder|OAB)|症状・鑑別・検査・治療(行動療法/内服/ボトックス/ニューロモデュレーション)|0th CLINIC 日本橋

過活動膀胱(Overactive Bladder|OAB)

尿意切迫・頻尿・切迫性尿失禁が中心の状態です。
検査は尿検査・排尿日誌・尿流測定/残尿・エコーを基本に、感染・前立腺・膀胱痛症などを鑑別。治療は生活・リハ内服ボトックス/神経調節の順に段階的に進めます。
※診療時間はお知らせをご確認ください。

概要:急に強い尿意→トイレが間に合わない…を減らす

過活動膀胱(OAB)は、尿意切迫を中心に頻尿・夜間頻尿・切迫性尿失禁を示す症候群です。感染・結石・腫瘍など他の原因がないことを前提に診断します。治療のねらいは、症状を減らし生活の自由度を取り戻すことです。

※診療時間はお知らせをご確認ください。

受診・救急の目安

救急へ:発熱+腰背部痛(腎盂腎炎疑い)/肉眼的血尿が続く/急な尿閉・激しい下腹部痛
早めの受診を:頻回のUTIを繰り返す/尿勢低下・残尿感が強い/骨盤痛・排尿痛が続く/薬で改善が乏しい

主な症状

尿意切迫突然、抑えがたい尿意が起こる。
頻尿日中8回以上など、生活に支障がある。
夜間頻尿夜間の排尿で睡眠が分断される。
切迫性尿失禁トイレまで間に合わず漏れてしまう。

鑑別:まず除外したい状態

  • 尿路感染症(膀胱炎):排尿痛・発熱・混濁尿。
  • 前立腺肥大症/出口狭窄(男性):尿勢低下・残尿増加。
  • 間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC-BPS):膀胱痛・慢性骨盤痛。
  • 糖尿病/薬剤性・多尿:利尿薬・カフェイン・過量飲水。
  • 神経因性膀胱:神経疾患や脊椎疾患の既往。

検査・評価:過不足なく、負担少なく

尿検査感染・血尿・糖を確認。再発時は培養。
排尿日誌排尿/飲水量・切迫のタイミングを2〜3日記録。
尿流測定/残尿(UFM/PVR)排出障害の合併を客観評価(男性・高齢者で重要)。
エコー膀胱壁・残尿・前立腺体積・上部尿路のチェック。
その他難治例にウロダイナミクス/尿細胞診・画像は症状に応じ選択。

検査の詳細は検査ハブをご覧ください。

治療:生活・お薬・処置を“あなた仕様”に最適化

行動療法膀胱訓練・定時排尿・尿意抑制法(深呼吸・体位)/飲水・カフェイン調整/体重管理。
骨盤底リハ骨盤底筋トレ(PFMT)/呼吸・姿勢の併用/理学療法連携。
内服(第一選択)抗コリン薬 or β3作動薬(単剤~併用)。口渇・便秘・認知機能への配慮をしつつ薬剤選択。
ボトックス注入膀胱の過活動を抑制。一時的に残尿増加があり、CIC併用計画を説明。
神経調節療法PTNS/仙骨神経刺激(SNS)。適応・通院頻度・デバイス管理を含め説明。
外科的選択極めて稀。難治・高圧持続例は専門施設と協議。

生活や職業・合併症(便秘・睡眠・前立腺)に合わせ段階的に調整します。

在宅ケアのコツ(今日からできる)

膀胱を落ち着かせる

  • 就寝3時間前から飲水を控えめに。
  • カフェイン/アルコールを控える日を作る。
  • 尿意が来たら深呼吸・骨盤底筋の軽い締めで“波”をやり過ごす。

骨盤底筋トレ(PFMT)

  • 息を止めない/腹筋・殿筋に力を入れない。
  • 3秒締めて3秒ゆるめる × 10回を1セット、1日3セットから。
  • くしゃみ前に軽く締める「プレエンプティブ収縮」。

高齢・妊娠・男性のOAB

高齢者ふらつき・口渇/便秘・認知機能に配慮。β3作動薬の選好や用量調整、便秘ケアを併用。
妊娠/授乳薬剤は個別判断。まずは生活/骨盤底リハを中心に。必要時は産科と連携。
男性前立腺肥大の関与を評価。α1遮断薬±OAB薬、残尿増加に注意。

費用の目安(保険/自費の考え方)

診察+尿検査保険(自己負担は保険種別・項目で変動)
排尿日誌・尿流測定/残尿・エコー保険(症状に応じて実施)
内服治療保険(薬剤により一部負担額が異なります)
ボトックス注入保険(適応時)—施設要件あり。必要時は連携病院と一緒に治療します。
神経調節療法保険(適応選択)—上位施設と連携して実施。

当院は自費は性感染症の一部のみ、OABの評価・治療は原則保険で対応しています。

FAQ:よくある質問

薬はずっと飲み続けますか?
症状が落ち着けば減量・中止も検討します。季節や生活イベントに合わせ再開する“オン/オフ運用”も可能です。
副作用が心配です。
口渇・便秘・動悸などは用量/薬剤変更で調整可能です。高齢の方は認知機能・ふらつきにも配慮します。
急な外出・会議が不安です。
タイムドトイレ(定時排尿)と事前の飲水調整、尿意抑制法をセットでご提案します。
男性でも受診できますか?
もちろんです。前立腺の関与や残尿を評価したうえで、OAB薬・α遮断薬の使い分けを行います。

👨‍⚕️ 医師監修

過活動膀胱(Overactive Bladder|OAB)

荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科

本ページの医学的内容(鑑別・検査・治療方針)を確認しています。
※診療時間はお知らせをご覧ください。

  • 監修日:2025-11-01
  • 最終更新日:2025-11-01

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