糖尿病の皮膚疾患(皮膚そう痒症・壊疽 など)|“見極めて守る”皮膚と代謝のケア|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

糖尿病の皮膚疾患(皮膚そう痒症・壊疽 など)|“見極めて守る”皮膚と代謝のケア|日本橋の内科 0th CLINIC

糖尿病の皮膚疾患(皮膚そう痒症・壊疽 など)|見極めて守る、皮膚と代謝のケア

皮膚は血糖・血流・感染の変化を映す“モニター”。
当院では病態の見極め → 皮膚治療 → 血糖最適化 → フットケア・血管評価まで、合併症を抑えながら包括管理します。

当院で診察・治療を行っています。必要に応じて皮膚科・形成外科・血管外科と連携し、創傷・壊疽・難治例に迅速対応します。

概要(皮膚は“血糖と血流”の鏡)

高血糖や末梢循環障害・神経障害は、乾燥・そう痒・感染・創傷遷延・壊疽など多彩な皮膚病変を引き起こします。
皮膚所見は合併症の早期サインでもあり、適切な初期対応で入院・手術・切断リスクを減らせます。

救急受診が必要なサイン(Red Flags)

  • 急速に拡大する発赤・疼痛・腫脹紫斑/水疱/黒色壊死握雪感(皮下気腫)
  • 高熱・悪寒・意識障害・低血圧(敗血症疑い)
  • 足潰瘍で骨が触れる/悪臭(骨髄炎・壊疽疑い)
  • 激しい疼痛安静時痛・足冷感/蒼白(重度虚血)

該当時は救急受診をご検討ください(当院から救急・専門科へ速やかに連携)。

主な病態と“見分け方(要点)”

病態臨床のポイント初期対応の例
皮膚そう痒症/乾燥(ざらつき) 冬季や高血糖で悪化。掻破痕・睡眠障害 保湿(尿素/ヘパリン類似)、入浴/石鹸の見直し、血糖最適化、必要に応じ抗ヒスタミン・外用ステロイド
糖尿病性皮膚症(すねのシミ) 下腿の小円形褐色斑(軽度萎縮)。無症候 外傷回避・保湿。経過観察(美容的相談は皮膚科)
アカントーシス・ニグリカンス 項部/腋窩の灰褐色ビロード状肥厚(IRのサイン) 減量・運動・血糖/脂質是正、外用(角質治療薬等)
ネクロビオーシス脂肪皮炎(NL) 脛の黄〜赤褐色斑、萎縮・毛細血管拡張 外傷回避、外用ステロイド/タクロリムス等、難治は皮膚科連携
糖尿病性水疱(bullosis diabeticorum) 無痛性の大きな水疱(足/下腿)。再発性 水疱膜は保護、二次感染予防(清潔・ドレッシング)、感染併発時は抗菌
白癬・爪白癬/カンジダ 趾間びらん・爪肥厚/変色、外陰部/皮下脂肪部の紅斑・びらん 抗真菌(塗布/内服)、足指乾燥、糖尿病用爪ケア
黄色腫(噴火状) 高TGで躯幹・四肢に小丘疹群生、掻痒 脂質急速是正(食事/内服)、膵炎徴候に注意、血糖是正
潰瘍/壊疽(虚血+感染) 疼痛/悪臭/黒色壊死、脈拍減弱やABI低下 デブリードマン・培養、広域抗菌、オフローディング、血管評価(PAD連携)

感染主体のケースは「感染症×糖尿病」ページもご参照ください。

評価・検査(初診〜フォロー)

  • 血糖評価:HbA1c+SMBG/CGMで日内変動(特に食後)を把握。
  • 足の総合評価:視診、モノフィラメント、足背動脈、靴/歩容、胼胝。
  • 感染評価:培養(滲出液/深部)、必要に応じ画像(X線/MRI)。
  • 循環評価:ABI/TBI、必要時に血管外科へ連携。
  • 脂質:TG著明高値なら急性膵炎リスクも評価。
  • 皮膚科連携:NL・難治水疱・鑑別困難例は早期紹介。

治療(スキンケア/薬物/創傷ケアの“合わせ技”)

  • 血糖最適化:生活+薬物(必要に応じインスリン/CGM)で再発抑制。
  • スキンケア保湿(尿素・ヘパリン類似)、低刺激洗浄、爪/胼胝ケア、毎日の足チェック
  • 抗菌・抗真菌:カンジダ・白癬には適切な剤形/期間。二次感染を避ける。
  • 外用治療:炎症には短期の外用ステロイド、部位に応じタクロリムス/角質溶解薬など。
  • 創傷ケア:デブリドマン、湿潤環境、オフローディング、必要に応じ陰圧閉鎖療法。
  • 血流改善:PADがあれば抗血小板/スタチン、血行再建の検討。
  • ワクチン/感染予防:季節性インフル等、皮膚感染リスク低減に寄与。

フォロー間隔の目安(個別条件で前後します)

フェーズ目安主なチェック
急性病変(感染/水疱/潰瘍)48–72時間〜1週発赤範囲・滲出・疼痛、培養結果、ドレッシング・免荷の遵守
亜急性(白癬/そう痒/NLなど)2–4週ごと症状改善、外用/内服アドヒアランス、副作用
安定期/再発予防1–3か月フットケア、靴/歩容、HbA1c・体重、PAD/神経障害評価

よくある質問

かゆみは血糖が原因ですか?
高血糖や乾燥で悪化しやすいですが、皮膚炎や感染も関与します。保湿+血糖最適化が基本で、必要に応じて外用・内服を組み合わせます。
“すねのシミ”は治せますか?
糖尿病性皮膚症は多くが無症状で経過観察です。新規病変の出現抑制に血糖管理と外傷回避が有効です。
水疱はつぶすべき?
基本は膜を残して保護し、感染予防を徹底します。破れた場合は清潔なドレッシングと早期受診を。
足のケアで最も重要なことは?
毎日の視診、乾燥と湿りすぎの回避、適切な靴・靴下、胼胝の専門ケア、早期受診です。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病治療では、血糖値を下げるための薬を使うことがあります。
病態や合併症の有無に応じて、内服薬や注射薬を適切に組み合わせて治療します。

🔷 主な内服薬(経口血糖降下薬)

  • ビグアナイド薬(メトホルミンなど)
    ─ 肝臓での糖の産生を抑える。体重が気になる方にも適応されます。
  • SGLT2阻害薬
    ─ 尿から糖を排出する薬。体重減少や血圧改善も期待されます。
  • DPP-4阻害薬
    ─ 食後のインスリン分泌を助ける薬。低血糖を起こしにくいのが特徴です。
  • スルホニル尿素薬(SU薬)
    ─ インスリン分泌を促進する薬。やや低血糖を起こしやすいので注意。
  • α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
    ─ 糖の吸収をゆっくりにすることで、食後高血糖を抑えます。

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

  • インスリン製剤
    ─ 血糖値を直接下げるホルモンを補う薬。1型糖尿病や重症の2型糖尿病で使用。
  • GLP-1受容体作動薬
    ─ インスリン分泌を促進し、食欲を抑える注射薬。週1回の製剤もあり、肥満のある方にも有効です。

📋 副作用や注意点

  • 低血糖(特にSU薬・インスリン使用中)
  • 吐き気・食欲不振(GLP-1受容体作動薬)
  • 尿路感染症・脱水(SGLT2阻害薬)
  • 腎機能や肝機能の状態により、使用できない薬もあります

🏥 通院・血液検査が大切です

糖尿病は「症状が出にくい」慢性疾患です。
自己判断で薬を中断せず、定期的に診察・HbA1cや腎機能の検査を受けて、合併症を予防しましょう。

💊 糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病の治療薬は多岐にわたります。以下は、日本国内で使用される代表的な薬剤とその特徴をまとめたものです。

🟢 経口血糖降下薬(内服薬)

① ビグアナイド薬(Biguanides)

② スルホニル尿素薬(SU薬)

③ 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド系)

④ α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

⑤ チアゾリジン薬(TZD)

⑥ DPP-4阻害薬

⑦ SGLT2阻害薬

💉 注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)

① GLP-1受容体作動薬

② インスリン製剤(分類別)

それぞれの薬剤は、患者さんの体質・合併症・ライフスタイルに応じて選択されます。
詳しくは医師にご相談ください。

GLP-1受容体作動薬の作用メカニズム

糖尿病の皮膚疾患(皮膚そう痒症・壊疽 など)|“見極めて守る”皮膚と代謝のケア|日本橋の内科 0th CLINIC(ゼロスクリニック)

GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌促進食欲抑制胃の排出遅延などの作用を通じて血糖値をコントロールします。
また、体重減少効果もあることから、2型糖尿病や肥満治療にも用いられます。

こんな方はご相談ください

  • のどが渇く、水をたくさん飲む
  • 尿の量や回数が増えた
  • 食欲があるのに体重が減る
  • 疲れやすい、だるい
  • 手足のしびれ
  • ケガが治りにくい
  • 健康診断で血糖値やHbA1cが高いと言われた

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糖尿病の皮膚疾患:外部エビデンスまとめ

公的機関・国際学会・主要ジャーナルから、診断のポイント/治療・創傷管理/再発予防に使える一次情報を厳選しました。

📘 総論(糖尿病に関連する皮膚病変の全体像)

🧩 代表的な皮膚病変(非感染)

🦠 感染症(真菌・細菌)

🛠 創傷管理・補助療法

📝 病態別の要点(抜粋)

※ 各リンクは公的機関・学会・主要学術誌(一次文献/ガイドライン)です。実臨床では病変の肉眼像とリスク評価(感染・虚血・神経障害)を組み合わせ、デブリードマン/創管理/オフローディング/血糖最適化を標準推奨(IWGDF等)に沿って個別化してください。

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