X線・CT・MRIの使い分け|泌尿器科の画像検査
概要:まずは「何を知りたいか」で選びます
画像検査は、体の中を映して原因の手がかりを集めるものです。状況に応じて、X線・CT・MRIを使い分けます。
いきなり大がかりな検査をするのではなく、必要最小限から始め、必要なときに次の検査へ進みます。
違いと使い分け(早見表)
| 検査 | 分かること | 得意な場面 | 所要時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| X線(レントゲン) | 骨、濃い石(結石)の有無、チューブの位置 など | まずのスクリーニング/強い痛みで結石が疑わしい時の手がかり | 数分 | 短時間・費用が比較的少ない/細かい所までは分かりにくい |
| CT | 臓器や血管、尿の通り道の状態、結石の大きさ・場所 など | 結石の詳しい評価/発熱+背中の痛みで重い病気を疑う時 | 10〜20分 | 細かく見える/放射線を使う/状況により「造影剤」を使うことあり |
| MRI | やわらかい臓器の質感や広がり、前立腺の評価、腫瘍の性質の手がかり | 前立腺の詳しい評価/腫瘍の広がりを丁寧に見る時 | 20〜40分 | 放射線を使わない/金属が体にある場合は事前確認が必要 |
まずは体への負担が少ない検査から検討し、必要に応じて次の段階へ進みます。
当日の流れ・準備
X線
- 着替えの案内があることがあります。
- 金属(ベルト・ネックレス等)は外します。
- 数分で終わります。
CT・MRI(連携病院)
- 当院で予約・紹介状を作成します。
- 問診票の記入、金属類の確認があります。
- 造影剤を使う場合は、直前の食事・お薬の調整をお願いすることがあります。
安全性と限界
安全性に関する配慮
- X線・CTは放射線を使います。必要性を確認して実施します。
- MRIは放射線を使いません。体内の金属(心臓ペースメーカー等)は事前申告が必要です。
- 造影剤を使う場合は、腎臓の状態やアレルギーの有無を確認します。
- 閉所が苦手な方は、事前にご相談ください。
検査だけで決めきれないことも
- ごく小さな変化は写らないことがあります。
- 画像だけでは確定できず、尿検査・血液検査・内視鏡・病理検査が必要な場合があります。
不安な点は遠慮なくお知らせください。検査の必要性・代替案・タイミングを一緒に考えます。
次に進む検査(例)
| 血尿が続く | CTで腎〜尿管〜膀胱の評価 → 必要に応じて膀胱鏡へ。 |
|---|---|
| 強い背中の痛み・発熱 | 結石や通り道の詰まりをCTで確認 → 治療の方針決定。 |
| 前立腺の詳しい評価 | MRIで広がりを確認 → 必要時は組織の検査へ。 |
| 症状はあるのに原因がはっきりしない | エコーや尿検査を組み合わせて総合的に判断。 |
CT・MRIは、必要に応じて連携病院と一緒に実施します。
費用の目安(保険/自費の考え方)
| X線 | 保険(症状・目的に応じて) |
|---|---|
| CT・MRI | 保険(必要性を医師が判断し、連携病院で実施) |
| 関連する検査 | 尿検査・血液検査・膀胱鏡・病理検査などは症状に応じて選択 |
当院は自費は性感染症の一部のみ、画像検査は原則保険で対応します。
FAQ:よくある質問
造影剤は安全ですか?
多くの方で問題なく受けられますが、腎臓の状態やアレルギーを事前に確認します。過去に気分不良があった方は必ずお知らせください。
MRIは狭くて不安です。
耳栓や音楽の用意がある施設もあります。途中で合図できる仕組みがあり、心配な方は事前に相談できます。
金属が体に入っています。
種類によりMRIができないことがあります。カードや手帳をお持ちの方はご提示ください。CTや他の方法を検討します。
食事や薬の制限はありますか?
検査内容により異なります。造影剤を使う場合は、食事や一部のお薬の調整をお願いすることがあります。
結果はいつ分かりますか?
X線は当日説明できます。CT・MRIは連携病院から画像が届き次第、当院で分かりやすくご説明します。
👨⚕️ 医師監修
荘子 万可 医師(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医)
0th CLINIC 日本橋 泌尿器科
本ページの医学的内容(使い分け・安全性・連携フロー)を確認しています。
※診療時間はお知らせをご覧ください。
- 監修日:2025-11-01
- 最終更新日:2025-11-01
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