自分でできる応急処置と「ここまでならクリニックで対応可」|災害医療ガイド
自分でできる応急処置と
「ここまでならクリニックで対応可」
地震や災害のとき、病院・救急車にすぐに頼れない場面はどうしても生じます。
だからこそ、「自分でできる応急処置」と「どこまでならクリニックで対応できるか」を知っておくことが大切です。
このページでは、全国の方に役立つ一般的な情報として、0th CLINIC 日本橋の視点から整理しました。
応急処置は「救急要請までの時間をつなぐもの」であり、救急車の代わりではありません。
0th CLINIC 日本橋は、徒歩・電車で通いやすい位置にあり、平時からのケガ・持病管理・防災相談まで幅広くお手伝いしています。
※このページは一般的な情報であり、個別の診断・治療方針を保証するものではありません。自己判断に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
1. 自分でできる基本の応急処置
ここでは、自宅や避難所で、多くの方が比較的安全に行いやすい基本的な応急処置をまとめます。
いずれも「完全な治療」ではなく、受診までの時間をつなぐための対応と考えてください。
① 小さな切り傷の洗浄・止血
- 流水で汚れや砂・ガラス片をよく洗い流す(痛みが許す範囲で数分程度)
- 清潔なガーゼやハンカチで、傷口を押さえて圧迫止血する
- 出血が止まったら、市販の被覆材や絆創膏などで覆う
- 犬猫・人間の咬み傷や、錆びた釘・土で汚れた傷は、感染リスクが高いため受診を検討
※血が止まらない・傷が大きく開いている・中が見えるほど深い場合は、クリニックでの評価〜119番通報レベルも含めて検討が必要です。
② 軽度のやけど(流水冷却)
- できるだけ早く、冷たい流水で20分程度冷やす(水が使えない場合は清潔な濡れタオルなど)
- 氷を直接当てると凍傷の原因になるため、避ける
- 水ぶくれは破らない(感染のリスクが上がるため)
- 範囲が狭く、指先・手・前腕などに限られ、痛みも軽めなら、自宅で様子見も可能なことがあります
顔・陰部・関節をまたぐやけど、大人の手のひら数枚分以上の広さのやけどは、クリニック受診や 基幹病院での治療を検討してください。
③ 捻挫・打撲(RICE処置)
軽い捻挫・打撲が疑われる場合は、RICE(ライス)処置が基本です。
- R:Rest(安静) … 痛む部位に体重をかけない・無理に動かさない
- I:Ice(冷却) … 氷嚢や冷却材をタオル越しに20分程度あてる
- C:Compression(圧迫) … 弾性包帯などで軽く圧迫し、腫れを抑える
- E:Elevation(挙上) … 心臓より少し高い位置に上げておく
その場で歩ける・関節がぐらつかない・腫れが強くない場合は、自宅で様子を見ることもありますが、
一歩も歩けない・変形している・痛みが強くなる場合は骨折の可能性もあり、受診が望ましいです。
④ メンタル面の「一時的な不安」へのセルフケア
- 深呼吸をゆっくり繰り返す(4秒吸って、4秒止めて、8秒かけて吐く、など)
- 情報を詰め込みすぎず、信頼できる情報源にしぼって状況を確認する
- 家族・友人・同僚などと状況を共有し、一人で抱え込まない
不眠・食欲低下・強い不安やフラッシュバックが数週間続く場合は、精神科・心療内科や各種相談窓口の利用を検討してください。
「小さな切り傷の洗浄」「流水でやけどを冷やす」「足首をRICE処置している」3コマ漫画風の図。
2. 持病薬の「節約」と注意点(勝手な減量は要注意)
災害で受診が遅れ、「薬が足りなくなりそう」という不安を抱える方も多いと思います。
ただし、自己判断で薬を半分にしたり、飲む回数を減らしたりすると、病状悪化や副作用のリスクがあります。
特に、糖尿病薬・心臓の薬・抗凝固薬・てんかんの薬・ステロイドなどは、
勝手な減薬・中止が命に関わる悪化を招くことがあります。
一方で、現実には「どうしても受診が遅れる」「薬局が開いていない」状況もありえます。
そのため、平時から以下のような工夫をしておくことが役立ちます。
- 主治医と相談し、災害時の対応の方針(どの薬が特に重要か)をあらかじめ確認しておく
- 平時の備えにもあるように、1〜2週間分の余裕を持って薬を管理する
- どうしても残量が心配な場合は、電話診療やオンライン診療の実施可否を医療機関に確認する
※日本橋・東京駅周辺では、災害時に特別な処方体制が設けられることもあり得ます。最新情報は自治体や医師会の案内をご確認ください。
3. クリニックで簡易に処置できること(0thで想定する範囲)
ここでは、0th CLINIC 日本橋を含む一般的な街のクリニックで対応が期待できるケースの一例を挙げます。
実際の対応範囲は、医療機関ごとの設備・人員体制・災害時の状況によって変化します。
① 傷の洗浄・縫合が必要かの評価
- 切り傷・裂傷の深さや汚染の程度をチェック
- 局所麻酔下での洗浄・縫合・テーピングによる創閉鎖
- 破傷風ワクチンが必要かの判断(接種歴・汚染状況による)
- 必要であれば、骨折疑い部分のレントゲン撮影(機器と電源が確保できる場合)
② 軽〜中等度熱傷の評価
- やけどの深さ(I度・II度など)と範囲の評価
- 軟膏・被覆材・鎮痛薬を用いた外来フォロー
- 関節部・顔面・陰部など、機能や整容面で重要な部位のやけどについて、高次病院紹介の要否を判断
③ 頭部外傷の“危険サイン”のチェック
- 意識レベル・記憶障害・吐き気・けいれん・麻痺などの有無を確認
- 必要に応じて、CTが撮れる病院へ紹介(クリニック内でCTが行えない場合)
- 「今すぐ救急車か」「数時間〜翌日まで経過観察か」の目安を説明
④ 皮膚感染症(創感染・蜂窩織炎など)の初期評価
- 傷口からの浸出液・腫れ・熱感・痛みの広がりを評価
- 必要に応じて、切開排膿・培養検査などを検討
- 蜂窩織炎・爪周囲炎・ひょう疽などに対し、抗菌薬の内服・外用を開始
- 全身状態が悪い・広範囲に及ぶ場合は、入院加療可能な病院へ紹介
皮膚感染症の詳細は、今後予定している 皮膚感染症のページ でも整理していきます。
通常時は、外科・皮膚科・泌尿器科・内科などの診療体制の中で、
上記のような軽〜中等度の外傷・熱傷・皮膚感染症の初期評価と治療を行っています。
災害時は、建物・電力・スタッフの状況により対応範囲が変化することをご了承ください。
4. クリニックでは難しいもの:大量出血・広範囲熱傷・多発外傷など
一方で、街のクリニックだけでは対応が難しいケースも明確に存在します。
これらは、「トリアージ」の観点からも、災害拠点病院・基幹病院へ直接つなぐことが重要になります。
赤レベル 基幹病院での集中的な治療が必要なケース
- 服や床がすぐに血で濡れるような大量出血(圧迫しても止まらない)
- 意識障害・呼吸困難・ショック状態(冷汗・顔面蒼白・脈が速いなど)
- 大人の手のひら数枚分以上に及ぶ広範囲の熱傷、顔や気道の熱傷
- 複数の部位を同時に強く打った多発外傷、骨折の疑いが多部位に及ぶ場合
- 脊椎損傷が疑われる(強い背部痛・しびれ・麻痺・転落事故など)
これらは、救急車による搬送・手術室・集中治療室などを要する可能性が高く、クリニックのみでの対応には限界があります。
災害時には、限られた医療資源をより多くの方に届けるために、重症の方を優先して高次医療機関へ搬送する必要があります。
この考え方が、トリアージ(重症度による選別)です。
5. 「トリアージ」との関係・関連ページ
自分でできる応急処置と、クリニックで対応できる範囲・基幹病院に任せる範囲を知ることは、トリアージの理解にもつながります。
すべての人が医療者になる必要はありませんが、「なぜ待ち時間が長いのか」「なぜ重症患者が優先されるのか」を知っておくと、
災害時の混乱を少し和らげることができます。
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。
