臍のうみ、悪臭(尿膜管遺残)なら0th CLINIC
臍から膿・におい・赤い…それ、尿膜管遺残が隠れているかもしれません
臍周りの膿や分泌物、におい、赤み・腫れが続くとき、
皮膚トラブルだけでなく尿膜管遺残(胎児期の通り道の名残)が原因のことがあります。
まずはエコーでの初期評価が有用です。
💻 24時間Web予約に対応
⚠️ 熱が出て痛みが強い・赤みが拡大する・膿が増えるときは早めの受診をご検討ください
目次
🔍 尿膜管遺残とは
胎児期に膀胱と臍をつないでいた管(尿膜管)は通常、出生前に閉じます。
これが一部または全部閉じずに残ると尿膜管遺残となり、臍からの膿・分泌物、におい、赤み、感染による痛み・発熱などの症状が現れます。
皮膚炎や臍の清掃不良でも似た症状が出ますが、繰り返す臍トラブルや腫れのしこりがある場合は遺残が背景にあることがあります。
🩺 主な症状(受診の目安)
- 臍からの膿・分泌物、におい
- 臍部の赤み・腫れ・痛み(押すと痛い・しこり)
- 発熱・悪寒(感染が広がる場合)
- 繰り返す臍炎・治りにくい皮膚炎
🧩 尿膜管遺残の種類
- 完全遺残(Patent urachus):臍と膀胱が開通。臍から尿が出ることも。
- 尿膜管嚢胞(Urachal cyst):中央部が袋状に残存。感染しやすく腫れて痛む。
- 臍側洞(Urachal sinus):臍側だけが開いて分泌物や膿が出る。
- 膀胱側憩室(Vesicourachal diverticulum):膀胱側に袋状遺残。膀胱症状の原因になることも。
※種類により症状や治療方針が異なります。まずはエコーで形態を推定し、必要に応じてCTで確定します。
🖼️ 図で分かる尿膜管遺残

- ① 完全遺残
- ② 尿膜管嚢胞
- ③ 臍側洞
- ④ 膀胱側憩室
🧪 検査の流れ
- 視診・触診:臍部の発赤・腫脹・圧痛、分泌物の性状を評価。
-
超音波(エコー)検査:エコーで嚢胞や管状構造の有無、膿瘍・膿貯留を評価。
— 当院で実施可能(初期診断) -
CT検査:病型の確定・炎症の広がり確認。
— 当院提携の外部医療機関へ依頼します - 感染評価:必要に応じて血液検査(炎症反応)、分泌物培養。
💊 治療の考え方(外来対応と連携)
急性期(感染・炎症が強い時)
- 抗菌薬治療・創部ケア(洗浄・ガーゼ保護)
- 膿瘍形成があれば切開排膿を検討(必要時は連携先へ)
- 炎症が落ち着いた後に根治(遺残尿膜管切除)を検討
根治治療
- 腹腔鏡または開腹での尿膜管切除(臍部合併切除を含むことあり)
- 病型・年齢・再発状況により手術適応を検討
- 手術は症例数が豊富な提携医療機関へご紹介
🏥 当院でできること
- 初期治療:感染が疑われる場合の抗菌薬投与、創部ケア、疼痛・発熱への対処
- 画像検査:エコーによる初期評価(嚢胞・膿瘍の有無など)
- 確定検査(CT):必要時は外部提携機関へ依頼
- 手術が必要な場合:症例数が豊富な提携医療機関をご紹介(腹腔鏡/開腹手術を含む)
❓ よくある質問(Q&A)
Q:自然に治りますか?
一時的に軽快しても再発を繰り返すことが多く、感染時は抗菌薬などの治療が必要です。
遺残が明らかな場合は炎症がおさまってからの切除が再発予防に有効です。
Q:悪化サインは?
赤みの急速な拡大、強い痛み、発熱、膿の増加、倦怠感の悪化は受診目安です。
皮膚の広い炎症(蜂窩織炎)や膿瘍形成が疑われます。
Q:手術は必ず必要?
感染の反復やCTで遺残が確認できた場合、根治術を検討します。
年齢・病型・生活への影響を考慮し、提携医療機関と連携して方針を決めます。
つよい痛み・発熱・赤みの拡大・膿が増える等は、早めの受診をご検討ください。
📚 尿膜管遺残・治療に関する科学的根拠と外部リンク集
🔬 公的機関・国際機関の情報
🏛 学会・専門団体/患者向けリソース
- Urology Care Foundation(AUA):Urachal Abnormalities
- Cleveland Clinic:Urachal Remnant(概要・診断・治療)
- Cleveland Clinic:Urachus(解剖と異常)
📖 学術レビュー・教科書(NCBIほか)
- StatPearls(NCBI):Patent Urachus(尿膜管開存)
- J Surg Case Rep 2023:成人尿膜管遺残の手術治療(オープンアクセス)
- J Surg Case Rep 2019:小児における尿膜管遺残の手術戦略
- BMJ Case Rep 2013:成人の感染性尿膜管のう胞
- Cureus 2023:尿膜管腺癌レビュー(稀な合併症)
🧰 関連:臍からの分泌・感染の鑑別
これらのリンクは、
尿膜管遺残の基礎・診断・治療(外科的切除・感染対策)
の理解に役立つ公的機関・専門団体・査読文献です。
実際の検査・治療方針は年齢・症状・感染の有無・妊娠・併存疾患等により異なるため、
必ず医師の判断に基づいてください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(腎盂腎炎)

「臍からの膿・発赤・においが続く場合、尿膜管遺残(のう胞・洞・開存 など)が背景にあることがあります。
超音波での評価と、必要に応じたCTによる確定診断、感染があれば抗菌薬とドレナージの判断が重要です。」
当院ではまず臍部の診察とエコー検査で嚢胞や瘻孔の有無・膿瘍形成を確認します。
画像で疑わしい場合は、確定のため造影CTを連携医療機関へ依頼し、手術適応(腹腔鏡下摘出など)を総合的に検討します。
0th CLINIC/日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医

「臍炎としてくり返し処置しても改善しない場合、尿膜管遺残や臍のう胞などの構造異常が隠れていることがあります。
稀ですが腫瘍(尿膜管腺癌)の鑑別も必要なため、画像診断と適切な切除、そして病理検査が大切です。」
0th CLINICでは、まず初期治療(感染コントロール・臍部ケア指導)とエコーによる評価を行います。
CT検査は外部へ依頼し、手術が必要な場合は症例数が豊富な提携医療機関をご紹介します。術後は病理結果に基づき再発予防を含めフォローします。
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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