片頭痛の診断と検査|赤旗(危険サイン)・CT/MRIの目安

片頭痛の診断と検査|赤旗(危険サイン)・CT/MRIの目安|0th CLINIC 日本橋

片頭痛の診断と検査|赤旗(危険サイン)・CT/MRIの目安

片頭痛の診断は症状の組合せ+神経診察が基本です。CT/MRIは赤旗(危険サイン)初発・急変など、適応を満たす時に実施します。必要最小限で見落としなく、を大切にします。

目次
  1. 診断のステップ
  2. 片頭痛の診断目安(臨床基準)
  3. 赤旗(危険サイン)
  4. CT/MRIの選び方とタイミング
  5. 髄液検査(腰椎穿刺)を考える場面
  6. 採血・その他検査
  7. 二次性頭痛の主な鑑別
  8. 当日の流れと費用目安
  9. よくある質問

診断のステップ(0th CLINICの進め方)

1) 問診

  • 発症年齢、頻度、持続、痛みの性状(拍動性/左右/強さ)
  • 随伴:悪心・嘔吐、光/音/におい過敏、前兆
  • 誘因:睡眠・カフェイン・天候・ストレス・姿勢
  • 既往・家族歴、服薬、市販薬の使用回数(MOH評価)

2) 診察

  • バイタル(発熱・血圧・SpO2
  • 神経診察(意識・瞳孔・外眼筋・感覚・運動・協調・項部硬直)
  • 頭頸部・側頭動脈・顎関節・副鼻腔圧痛 等

3) 赤旗の有無

赤旗あり → 二次性頭痛の除外を優先。必要に応じCT/MRI・採血へ。

4) 治療計画

急性期薬の使い方を最適化し、必要に応じ予防療法を提案。生活調整も併用。

片頭痛の診断目安(臨床基準の要点)

  • 4〜72時間持続する反復性の頭痛
  • 拍動性/中等度〜重度/日常動作で増悪
  • 悪心・嘔吐、光・音過敏のいずれかを伴う
  • 他の疾患でうまく説明できない

詳細は症状ページへ → 片頭痛の症状

赤旗(危険サイン)

以下に当てはまる場合は、片頭痛に限らず二次性頭痛の可能性を考え、画像検査などを検討します。
  • 突然発症・雷鳴様(人生最悪の頭痛)
  • 発熱・項部硬直・皮疹など感染兆候
  • けいれん、意識障害、焦点神経症状
  • 新規発症(特に50歳以上)、がん・免疫不全の既往
  • 妊娠・産褥期、外傷後、抗凝固薬内服中
  • 頭痛の性状が急に変化/進行性悪化
  • 眼痛・視力低下・虹視(眼科的緊急)
  • 側頭部の拍動痛・圧痛(高齢者は側頭動脈炎も鑑別)

CT/MRIの選び方とタイミング

状況推奨候補ポイント
ごく急性の激烈頭痛(発症直後) 頭部CT(±造影) 急性出血の早期検出に有用。必要時は血管CT(CTA)も検討。
神経徴候を伴う/進行性・反復性で性状変化 頭部MRI(±MRA/MRV) 腫瘍・炎症・静脈洞血栓症などの除外に有用。
妊娠中で画像が必要 MRI(非造影) 被ばく回避。造影は適応を慎重判断。
側頭動脈炎など血管炎疑い 血液検査(炎症)+超音波/MRI 視力障害リスクあり、眼科・リウマチ科と連携。

※画像検査は「不安だから全例実施」ではありません。赤旗や臨床状況をもとに個別最適化します。

髄液検査(腰椎穿刺)を考える場面

  • くも膜下出血を強く疑うがCTで明らかでない場合
  • 髄膜炎/脳炎など感染を疑う所見がある場合
  • 特発性頭蓋内低圧(体位で悪化・改善)の評価 など

必要に応じ専門機関と連携の上で実施します。

採血・その他検査

目的内容実施の目安
感染・炎症の評価 血算、CRP 等 発熱・項部硬直・皮疹など所見あり
代謝・内分泌の確認 電解質、血糖、甲状腺 など 合併症・誘因の把握に応じて
側頭動脈炎の示唆 ESR/CRP、超音波 高齢・側頭部圧痛・視覚症状 等

二次性頭痛の主な鑑別

  • くも膜下出血・脳内出血・硬膜下/硬膜外血腫
  • 脳腫瘍・脳炎/髄膜炎・脳静脈洞血栓症
  • 高血圧緊急症・急性緑内障・副鼻腔炎
  • 側頭動脈炎など血管炎
  • 薬剤起因性(薬剤過剰使用頭痛含む)
  • 頸性頭痛・顎関節症 など

迷うときは当院で初期評価後、適切な専門科へ円滑に紹介します。

当日の流れと費用目安

  1. 受付・問診(赤旗の有無、既往・服薬・誘因)
  2. 診察・神経学的評価(必要に応じ検査方針の相談)
  3. 必要最小限の検査(画像・採血 等/適応時)
  4. 治療計画(急性期薬・予防療法・生活調整)
項目内容目安
初診料(保険)問診・診察保険点数に準拠
検査(必要時)血液・画像 等適応により異なる
処方急性期薬/予防薬薬剤により異なる

予約・お問い合わせ

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※激烈な突然の頭痛・発熱や神経症状など赤旗がある場合は、救急受診をご検討ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 片頭痛で画像検査は必ず必要ですか?

A. いいえ。赤旗や初発・急変など適応がある時に検討します。多くは臨床診断で十分です。

Q. CTとMRIはどちらを受けるべき?

A. 急性出血が疑わしい直後はCTが迅速です。神経徴候や慢性経過、腫瘍・炎症の鑑別にはMRIが有用です。

Q. 髄液検査は痛いですか?

A. 局所麻酔下で実施します。必要性が高い場合に限り、適応やリスクを丁寧に説明した上で行います。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

片頭痛の診断と検査|赤旗(危険サイン)・CT/MRIの目安
「片頭痛は、少しの痛みでも生活に支障をきたします。
だからこそ、症状のないうちから予防と管理に取り組むことが重要です。
検査データや生活背景まで丁寧に確認し、“納得して続けられる医療”を心がけています。

0th CLINICの片頭痛治療では、生活スタイルにあわせた選択肢を複数選択できるように、忙しい現代人にも続けやすい医療設計を行っています。
未来の病気を防ぐ「未病医療」を、あなたの日常に無理なく取り入れていきましょう。

監修:黒田 揮志夫 医師(病理専門医/外科病理医)
0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士(心臓血管外科学)
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/プライマリケア認定医
総合診療・救急・心臓血管外科領域での診療経験10年以上

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