血尿(尿が赤い・茶色い)の受診目安と原因|まず何をする?

血尿(尿が赤い・茶色い)の受診目安と原因|まず何をする?|日本橋の泌尿器科 0th CLINIC

血尿(尿が赤い・茶色い)— 受診の目安とまずやること

便ではなく尿が赤い/茶色いと感じたら血尿の可能性があります。
痛みや発熱の有無、血の混ざり方(始め/終わり/全体)、血の塊(凝血塊)の有無で緊急度が変わります。
まずは採尿保存→当日受診が基本。適切な検査選択で原因を絞り込みます。

対応エリア:日本橋・東京駅・茅場町・人形町 ほか(Googleマップ

まずやること(自宅での対応)

  1. 採尿を保存:清潔な容器に直近の尿を少量で可。来院時に持参。
    ※採尿手順は下の「HowTo:正しい採尿」参照。
  2. 出血状況をメモ:全体が赤い/最初だけ/最後だけ、血の塊の有無、痛み・発熱・腰背部痛、服薬歴(抗凝固/抗血小板薬など)。
  3. 水分は普段どおり(過剰は不要)。アルコールは控える。
  4. 運動は中止(運動性血尿かの判別に役立ちます)。
  5. 市販の止血薬は不要:原因検索を遅らせます。

今すぐ受診(救急も検討):危ないサイン

  • 血の塊(凝血塊)で尿が出にくい/全く出ない(尿閉リスク)
  • 発熱+悪寒腰背部痛、ふるえ(腎盂腎炎を疑う)
  • 側腹部の激痛(結石の可能性)
  • 意識障害・強い倦怠感・貧血症状
  • 外傷後の血尿

上記は夜間・休日でも救急受診を検討してください。

受診の目安(トリアージ)

症状 目安 関連ページ
肉眼的血尿のみ(痛みなし・発熱なし) 当日〜数日以内に受診(初期検査で原因層別化) 膀胱がん腎がん
排尿痛・頻尿・残尿感を伴う 当日〜翌日(膀胱炎を含め評価) 膀胱炎(総論)
側腹部の激痛/吐き気 当日(結石・閉塞の評価) 尿管結石
発熱+腰背部痛(悪寒) 当日(腎盂腎炎を疑う) 腎盂腎炎
健診で尿潜血(顕微鏡的血尿) 2〜4週間以内(複数回確認+リスク層別) 尿検査

主な原因(代表例)

泌尿器(非糸球体性)

腎(糸球体性)

  • 糸球体腎炎(IgA腎症など)
  • 腎炎症候群(蛋白尿・円柱・むくみ・高血圧)
  • 薬剤性・感染後・全身性疾患関連

糸球体性は茶褐色(コーラ色)・蛋白尿/円柱・変形赤血球が手掛かり。

その他

  • 月経混入・運動性血尿
  • 外傷(腎挫傷・腎裂傷)、出血傾向(抗凝固/抗血小板薬)
  • 良性腫瘍(血管筋脂肪腫 等)

検査の流れ(当日できること/連携検査)

  1. 問診・診察(痛み・発熱・既往・服薬/月経・運動・外傷)
  2. 尿検査(定性・沈渣・培養)尿検査/必要に応じて蛋白・円柱・形態
  3. 血液検査:炎症反応、腎機能、貧血 など(血液検査
  4. 超音波(エコー):結石・腫瘍・水腎症のスクリーニング(エコー
  5. CT/MRI:必要時に連携実施(CTMRI
  6. 膀胱鏡:腫瘍・出血部位の確認(連携実施)

※当院は“過不足ない検査選択”を重視し、病理細胞診が必要な場合も適切に連携します。

HowTo:正しい採尿(中間尿)

  1. 採尿容器(なければ清潔容器)を準備。
  2. 外陰部を清潔にしてから排尿を開始。
  3. 最初の少量は捨て、途中の尿(中間尿)を容器に採る。
  4. ふたを閉め、氏名・採取時間を記載して持参。

治療の考え方(当院の方針)

  • 抗菌薬は“培養・感受性”を重視(不必要な広域投与は避ける)
  • 痛み・排尿障害のコントロール(結石・凝血塊の対処)
  • 腫瘍の見逃し防止(必要に応じて膀胱鏡・画像・尿細胞診)
  • 腎由来が疑われる場合は腎内科へ速やかに連携

関連:尿管結石腎盂腎炎膀胱がん腎がん

よくある質問

血尿=必ずがんですか?
がん以外(膀胱炎・結石・腎盂腎炎・運動性・薬剤性など)が多数ですが、肉眼的血尿は年齢に関わらず腫瘍を除外しておくのが安全です。早期評価をおすすめします。
健診で尿潜血(±/1+)でした。すぐ受診?
まずは数週〜1か月で再検(運動・月経などを避けて)を推奨。持続する場合は泌尿器科で尿沈渣・エコー等の評価を行います。
痛みが強い/夜間にひどくなったら?
結石や腎盂腎炎が疑われます。当日受診、夜間は救急受診も検討してください。
市販薬で様子見していい?
止血薬や鎮痛薬で原因が隠れることがあります。まずは原因検索を優先してください。
どの検査まで当日に可能?
尿検査・採血・エコーは当日可能です(尿検査血液検査エコー)。CT/MRIや膀胱鏡は連携で当日〜数日以内に実施調整します(CTMRI)。

👨‍⚕️ 医師からのコメント・監修

血尿は「痛みがないから様子見」ではなく、“腫瘍を含む見逃せない原因がないか”をまず安全側に除外します。
一方で、すべての方に高額な検査が必要なわけではありません。症状・リスク・尿所見に基づく段階的評価で、過不足のない検査選択再発予防まで伴走します。

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監修者情報

0th CLINIC 荘子 万可

  • ・日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
  • ・日本抗加齢医学会専門医
  • ・テストステロン治療認定医

0th CLINIC 黒田 揮志夫

  • ・医師・医学博士
  • ・日本病理学会認定 病理専門医
  • ・循環器病理・心臓血管外科専門

本ページの内容は、最新の医学的知見と専門医の臨床経験に基づき、エビデンスに則って正確性・信頼性を担保するよう記載されています。 医療情報としての適正を確保するため、監修医師の確認のもと作成しています。

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