精巣上体炎 泌尿器科の0th CLINIC|待ち時間わずか、プライベート空間
陰嚢の腫れ・強い痛み…それ、精巣上体炎かもしれません
陰嚢の急な痛み・腫れ・発赤・熱感や、発熱・悪寒、排尿時の痛みや尿道分泌がある場合は要注意。
副睾丸に炎症が起きる精巣上体炎の可能性があります。
※痛みが突然で非常に強い・嘔気を伴う場合は精巣捻転の緊急鑑別が必要です。
💻 24時間Web予約に対応。
🚑 激しい陰嚢痛・急な腫れ・嘔吐などは、速やかに受診をご検討ください。
目次
🔍 精巣上体炎とは
精巣上体炎(Epididymitis)は、副睾丸(精巣上体)に生じる細菌性炎症で、陰嚢痛・腫脹・発赤・熱感を主症状とします。発熱や排尿症状を伴うこともあります。 若年では性感染症(クラミジア/淋菌)の関与が、40歳以上や前立腺肥大・尿路処置後では腸内細菌(大腸菌など)の関与が多くみられます。
放置すると膿瘍形成や精巣炎(精巣実質への波及)、稀に不妊の原因となることも。精巣捻転は緊急手術を要するため、まず鑑別が重要です。
🩺 主な症状(受診の目安)
- 陰嚢の痛み・腫れ・発赤・熱感(片側に多い)
- 発熱・悪寒・倦怠感
- 排尿痛・頻尿・尿道分泌(性感染症関連でみられる)
- 鼠径部〜下腹部の放散痛、歩行時の痛み増悪
痛みの突然発症・非常に強い痛み/悪心・嘔吐/患側の高位・横向き/挙睾反射の消失
🦠 原因・リスク要因
主な原因微生物
- クラミジア・淋菌(若年〜性活動期)
- 大腸菌など腸内細菌(中高年・前立腺肥大・尿路処置後)
- 稀に結核菌、ウイルス等
リスク要因
- 無防備な性行為・新規/複数のパートナー
- 前立腺肥大・排尿障害、尿道カテーテル留置
- 最近の泌尿器科的処置(内視鏡など)
- 糖尿病・免疫抑制・長期臥床
🧪 検査の流れ
💊 治療(外来/入院の使い分け)
基本方針
- 原因に応じた抗菌薬(性感染症由来か、腸内細菌由来か)
- 鎮痛(NSAIDs等)・安静・陰嚢挙上・必要に応じ冷罨法
- 培養・NAAT結果に合わせて抗菌薬を適正化
外来で対応しやすい例
- バイタル安定、嘔吐なく内服が可能
- 捻転が否定的で、膿瘍の所見がない
- 自宅療養・再診フォローが可能
入院・点滴加療を検討する例
- 重度の疼痛・発熱、嘔吐で内服不可、膿瘍形成
- 高齢・免疫抑制・重い基礎疾患、または遵守困難
- 捻転を完全に除外できない、または画像で疑いが残る
📋 抗菌薬治療の目安(外来/入院)
臨床シナリオ | 例(代表薬) | 期間の目安 | ポイント |
---|---|---|---|
性感染症が疑われる若年 | セフトリアキソン静注/筋注+ドキシサイクリン内服(淋菌/クラミジア想定) | 約10–14日 | パートナーの同時治療・禁欲/コンドーム指導、NAAT結果で調整 |
腸内細菌が疑われる中高年・尿路処置後 | レボフロキサシン等のフルオロキノロン、または経口セフェム系 等 | 10–14日(臨床経過で延長) | 培養結果で適正化。高齢・腎機能で用量調整 |
重症・膿瘍合併・内服困難 | 広域静注(例:セフトリアキソン、ピペラシリン/タゾバクタム 等)+必要に応じドレナージ | 臨床経過により決定(改善後は内服へ) | 画像で膿瘍評価、培養結果で狭域化、合併症に注意 |
支持療法 | NSAIDs・アセトアミノフェン、陰嚢挙上、安静、必要時冷罨法 | 症状軽快まで | 疼痛コントロールでADL改善、再診で治療反応を確認 |
※薬剤選択・投与量は年齢・体重・腎機能・妊娠・併用薬・地域の耐性動向で変わります。必ず医師の判断に従ってください。
🔁 再発予防と生活のポイント
- 性感染症対策:コンドームの適切な使用、パートナーの検査・治療
- 水分摂取・排尿習慣:尿意を我慢しない、長時間同じ姿勢を避ける
- 前立腺肥大・排尿障害があれば基礎疾患のコントロール
- 尿路処置後は症状に注意し、早期受診
❓ よくある質問(Q&A)
Q:精巣捻転との違いは?
精巣捻転は突然・激烈な陰嚢痛で発症し、短時間で精巣壊死の危険があるため緊急手術を要します。 精巣上体炎は通常徐々に増悪し、発熱や排尿症状を伴うことが多いですが、鑑別のため超音波(ドップラー)が重要です。
Q:治療期間はどのくらい?
軽症の外来内服で10–14日程度が目安です。膿瘍・重症例では静注治療やドレナージが必要で、期間は臨床経過で調整します。
Q:パートナーも検査が必要ですか?
性感染症が疑われる場合は推奨されます。クラミジア/淋菌ではパートナーの同時治療が再発防止に有効です。
痛みが強い・腫れが急に悪化・悪心嘔吐を伴う・歩行困難などは、至急受診してください。
👨⚕️ 科学的根拠と外部リンク集(精巣上体炎/副睾丸炎・Epididymitis)
🔬 公的機関・国際機関の情報
- CDC STI Treatment Guidelines:Epididymitis(治療レジメンと注意事項)
- CDC 壁貼り版(PDF):急性精巣上体炎の推奨治療(レジメン一覧)
- NHS:Epididymo-orchitis(症状・診断・治療・セルフケア)
📑 学会ガイドライン
- EAU(欧州泌尿器科学会):Urological Infections ガイドライン(精巣上体炎を含む)
- IUSTI 2024:Epididymo-orchitis(欧州性感染症学会・最新改訂)
- BASHH 2020:Epididymo-orchitis(英国性感染症学会)
- NICE CKS:Scrotal pain & swelling – Epididymo-orchitis(一次診療向け)
🩻 画像診断・トリアージ(捻転の除外が最優先)
📖 学術レビュー・教科書(NCBIほか)
- StatPearls(NCBI):Epididymitis(病因・診断・治療・合併症)
- StatPearls:Acute Scrotum(急性陰嚢の評価とドプラ所見)
- PubMed Review:Epididymitis(総説)
👥 患者向けリソース
💊 代表的薬剤情報(英文・例)
これらは、精巣上体炎(副睾丸炎)の診断・初期対応(捻転の除外)・抗菌薬選択・パートナー治療・再発予防に関する信頼性の高い一次情報・学会資料です。
実際の薬剤・用量・治療期間は、年齢・性感染症リスク・腎機能・妊娠・併用薬・地域の耐性動向で変わるため、必ず医師の判断に基づいてください。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修(精巣上体炎/副睾丸炎)

「急性陰嚢痛ではまず精索捻転の除外が最優先です。
発症が急で強い痛み・悪心嘔吐・高位停留などを伴う場合は、ドプラ超音波で血流評価を急ぎます。
精巣上体炎が疑われるときは、尿検査・尿培養・NAAT(クラミジア/淋菌)を行い、ガイドラインに沿った抗菌薬と安静・陰嚢挙上・鎮痛で治療します。」
当院では診察→尿検査→超音波(血流・腫脹の確認)を迅速に実施します。
年齢や性行動歴、尿路閉塞の有無(前立腺肥大など)を踏まえて病因を推定し、性感染症型/腸内細菌型に応じて薬剤を選択します。
症状は通常48〜72時間で改善の兆しが出ますが、増悪・発熱持続・膿瘍疑いがあれば再評価します。
0th CLINIC/日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医/日本抗加齢医学会専門医/テストステロン治療認定医

「若年者ではクラミジア/淋菌、中高年では腸内細菌(E. coliなど)が原因となることが多いです。
再発や難治例では膿瘍形成・壊死・結核・真菌・腫瘍などの鑑別も必要になります。
パートナーがいる場合は同時評価・治療を検討し、治療中は症状消失+治療完了まで性行為を控えるのが安全です。」
0th CLINICでは痛み・腫脹のコントロール(NSAIDs、陰嚢挙上・安静、冷罨法)とともに、原因検索と再発予防を並行して行います。
高熱・悪寒・嘔吐で内服困難・疼痛が増悪・排尿困難などは入院治療や精査が必要となる場合がありますので、早めにご相談ください。
0th CLINIC 日本橋 院長/医学博士/日本病理学会認定 病理専門医/総合診療・救急科での診療歴10年以上
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