前立腺炎(急性・慢性骨盤痛症候群/NIH分類)|“発熱・会陰痛・排尿痛を最短で改善”
前立腺炎(急性/慢性骨盤痛症候群:NIH分類)Urology
発熱・悪寒・会陰〜下腹部の痛み・排尿痛・頻尿・射精時痛…
急性は早期の培養と適切な抗菌薬で重症化を防ぎ、慢性(NIH III型)は薬物+骨盤底ケア+生活調整で長期改善を目指します。
前立腺炎とは(NIH分類)
前立腺や骨盤底周囲に炎症・痛み・排尿症状をきたす病態の総称です。米国NIH分類が広く用いられ、臨床像と治療方針の整理に有用です。
型 | 特徴 |
---|---|
I:急性細菌性 | 発熱・悪寒・強い排尿痛/会陰痛。尿培養陽性。前立腺マッサージは禁忌。早期抗菌薬。 |
II:慢性細菌性 | 長期反復する尿路感染。症状は軽〜中等度。培養で細菌検出。 |
III:慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS) | 3か月以上の骨盤痛±排尿/性機能の不快。 IIIa:炎症性(白血球↑)/IIIb:非炎症性。 |
IV:無症候性炎症 | 検査で偶然炎症所見。症状なし。 |
症状の例:会陰・肛門上部・下腹部・陰嚢・陰茎先端の鈍痛/灼熱感、排尿痛、頻尿、急な尿意、射精時痛、血精液症、発熱・寒気(急性)など。
鑑別:膀胱炎、尿道炎、結石、BPH、OAB、直腸疾患、整形外科的骨盤痛、神経障害、ストレス関連など。
今すぐ受診・救急受診の目安
- 38℃以上の発熱・悪寒+強い排尿痛/会陰痛
- 尿が出にくい/出ない(尿閉)、血尿
- 側腹部〜背部痛、嘔気を伴う激しい痛み
- 糖尿病・免疫低下・高齢・基礎疾患ありで全身状態が悪い
※急性前立腺炎では前立腺マッサージは禁止です(菌血症/敗血症のリスク)。
初診〜検査〜治療の流れ(最短で原因へ)
急性前立腺炎(NIH I型):重症化を防ぐポイント
慢性骨盤痛症候群(NIH III):多面的に“少しずつ良くする”
評価と説明
- NIH-CPSI(痛み/排尿/生活支障のスコア)で経過を可視化。
- 炎症性(IIIa)/非炎症性(IIIb)の区別は治療選択の参考。
治療の柱
- 薬物:α遮断薬、鎮痛薬、神経障害性疼痛薬の併用を状況に応じて。
- 骨盤底リハ:過緊張の是正(呼吸・ストレッチ・温罨法・姿勢)
- 生活調整:座位長時間の分割、カフェイン/アルコール/辛味の調整、睡眠の質の改善。
- 心理的支援:痛みへの不安/注意のコントロール、リラクゼーション。
期待値の共有:完全にゼロにするのではなく、“悪化しにくい体調”を作る発想が鍵。週単位でスコア改善を目指します。
鑑別・合併:OAB/BPH/間質性膀胱炎、消化器や整形領域の要因が混在することがあります。必要に応じて他科連携。
再発予防とセルフケア
- こまめな排尿、十分な水分
- 長時間座位は休憩・体位調整
- 便秘対策・骨盤底の過緊張をほぐす呼吸/ストレッチ
- 性交関連で悪化する方はタイミングとケアを調整
- カフェイン/アルコール/辛味は症状と相談しながら適量に
症状日誌や排尿日誌で悪化要因を把握しましょう。排尿日誌はこちら
頻尿・尿意切迫が中心の方は、過活動膀胱(OAB)の対策も有効です。
よくある質問(抜粋)
- Q. 急性前立腺炎で市販薬だけで様子見して大丈夫?
- A. 高熱や強い痛みがある場合は受診を優先してください。培養と適切な抗菌薬が重症化を防ぎます。
- Q. 抗菌薬は何日くらい必要?
- A. 症状・重症度・培養結果で異なります。自己判断で短縮すると再発・遷延の原因になります。
- Q. PSAはいつ測れば良い?
- A. 急性期は上昇するため回復後に評価します。
- Q. 慢性骨盤痛症候群は治りますか?
- A. 個人差がありますが、薬物・骨盤底ケア・生活の三本柱で段階的な改善を目指します。
- Q. どの科に行けばいい?
- A. まずは泌尿器科での評価をおすすめします。必要に応じて他科連携します。泌尿器科トップ
- Q. 再発を繰り返します。
- A. 培養・感受性の確認、結石や前立腺肥大の関与、生活習慣の見直しなどを総合的に評価します。
- Q. 性交/射精で悪化します。
- A. タイミングや頻度、疼痛コントロールを調整し、骨盤底の過緊張を和らげるケアを併用します。
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抗菌薬は培養と感受性に基づき選択します。自己判断での服用開始・中断は避けましょう。抗生剤の副作用
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👨⚕️ 医師からのコメント・監修

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テストステロン補充療法などの自由診療を含め、人に相談しづらい症状にも真摯に向き合い、患者さまが前向きに過ごせるようサポートいたします。
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・日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
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「膀胱炎や頻尿は、繰り返す不安や対人関係の悩みにつながることもあります。
専門的な視点から、再発予防や痕を残さない治療、パートナーへの配慮も含めたケアをご提案しています。」
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0th CLINIC 日本橋 院長
医学博士/日本病理学会認定 病理専門医
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