リベルサス
💊 リベルサスとは(基本情報)

▲ リベルサス錠剤(経口GLP-1受容体作動薬)
リベルサス(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬として初めて承認された経口タイプの糖尿病治療薬です。
注射ではなく飲み薬でGLP-1の効果を得られることが最大の特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
一般名 | セマグルチド(Semaglutide) |
剤形 | 経口錠(3mg/7mg/14mg) |
適応症 |
2型糖尿病(注射を避けたい方への選択肢) 肥満症(保険外使用・自由診療) |
保険適用 | ○(2型糖尿病のみ) |
特徴 |
飲み薬でGLP-1効果を得られる唯一の選択肢。 食欲抑制・胃排出遅延・血糖改善効果があり、注射が苦手な方に好まれています。 体重減少効果は注射型よりややマイルドです。 |
● 起床時に空腹のまま1錠をコップ1杯の水で服用し、30分間飲食・薬の服用を避ける必要があります。
● 胃腸症状(吐き気・便秘)は見られることがありますが、漸増により軽減可能です。
● 2型糖尿病でGLP-1注射を避けたい方や、自由診療で肥満治療を希望する方にも選択されています。
💊 リベルサス(Rybelsus)の特徴と注意点
リベルサス(セマグルチド経口薬)は、GLP-1受容体作動薬として初の内服剤であり、2型糖尿病の治療に保険適用されています。
注射が不要なことから、継続性や心理的負担の軽減にも寄与します。
海外では「肥満症治療薬」としても注目されており、自由診療での減量治療にも活用されています。
■ 投与法と使用期間
● 起床後すぐ、空腹状態で1錠(3mgから開始)を服用します。
● 服薬後は最低30分間は飲食・他の薬の服用を避ける必要があります。
● 徐々に7mg → 14mgへ漸増していくことで、効果と副作用のバランスを図ります。
● 注射薬に比べると体重減少効果は穏やかですが、非注射での治療を希望する方に適しています。
■ 血糖コントロールと体重減少効果
リベルサスはHbA1cの改善に加えて、数kg〜7kg程度の体重減少効果が報告されています。
セマグルチドの効果を内服で得られることから、注射の回避と効果の両立を目指す治療選択肢として重要です。
■ 副作用と注意点
● 吐き気・便秘・食欲不振などの消化器症状が多く、漸増により軽減されることがあります。
● まれに膵炎・低血糖(特に他薬併用時)・胆石の報告もあります。
● 服薬タイミングの厳格な制限(朝食前30分の空腹状態維持)があるため、継続には工夫と指導が必要です。
● 妊娠中・授乳中の使用は避けてください。
✅ リベルサスは、GLP-1の有効性を「飲み薬」で得られる革新的治療薬です。
注射に抵抗がある方や、日常的な服薬管理が可能な方にとって、糖尿病・肥満管理の有力な選択肢となります。
⚠️ リベルサスを安全に使うための大切なポイント
リベルサス(Rybelsus)は、GLP-1受容体作動薬として初の内服タイプの糖尿病治療薬で、血糖・体重の管理に有用です。服用には特有の注意点があります。
- 服用は起床直後、空腹状態で行い、服用後30分間は飲食・他の薬の服用を避けてください。
水は少量(約120ml以下)にとどめましょう。 - 吐き気・食欲低下・便秘などの消化器症状が出ることがあります。症状が続く場合は医師にご相談ください。
- 低血糖はまれですが、インスリンやSU薬(グリメピリドなど)を併用している方は注意が必要です。ふらつき・空腹感・冷や汗があれば、すぐにブドウ糖などで対応してください。
- 妊娠中・授乳中、または妊娠予定の方は使用できません。
治療開始前に必ずご相談ください。 - すい臓や胆のうに病気がある方は注意が必要です。強い上腹部痛や背中の痛みが出た場合は速やかに受診してください。
- 甲状腺の腫瘍やがんの家族歴がある方は、使用できない場合があります。初回診察時に必ずお知らせください。
✅ 内服のタイミングや副作用への配慮が必要ですが、正しく使用すればリベルサスは注射を避けたい方にも有効な治療選択肢です。
ご不明な点があれば、いつでもスタッフ・医師にご相談ください。
💊 GLP-1受容体作動薬の比較:オゼンピック vs リベルサス
オゼンピック(皮下注)とリベルサス(経口)は、どちらもセマグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬です。
投与経路や使いやすさに違いがあり、ライフスタイルに合わせた選択が可能です。
項目 | オゼンピック (Ozempic®/皮下注) |
リベルサス (Rybelsus®/経口) |
---|---|---|
分類 | GLP-1 受容体作動薬(注射) | GLP-1 受容体作動薬(経口) |
投与方法 | 週1回 皮下注射 | 毎日1回 経口服用(起床直後、空腹時) |
用量 | 0.25〜2.0mg(段階的増量) | 3mg → 7mg → 14mg(段階的増量) |
効果 | HbA1c改善、平均7〜12%の体重減少 | HbA1c改善、平均4〜8%の体重減少 |
服薬の制限 | なし(自己注射の習得必要) |
・起床後すぐに服用 ・服用後30分は飲食・他薬禁止 |
副作用 | 吐き気、便秘、低血糖(併用時) | 吐き気、便秘、胃もたれ、低血糖(併用時) |
保険適用 | ○(2型糖尿病のみ) | ○(2型糖尿病のみ) |
✅ 「注射を避けたい方」にはリベルサス、「効果を重視したい方」にはオゼンピックがおすすめされることがあります。
患者様の生活スタイルや目標に応じて、最適な選択をご提案いたします。
💊 リベルサス(Rybelsus)の糖尿病治療におけるエビデンスと注意点
リベルサス(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬としては初の経口薬であり、2型糖尿病の血糖コントロールを目的として使用されます。
注射が不要な点が大きな特徴であり、服薬の継続性や利便性の向上に寄与します。
■ 臨床試験と注意点
- ● PIONEER試験群にて、HbA1cの有意な改善(最大 -1.5%)と平均3〜5kgの体重減少が確認されています。
- ● 通常は3mgから開始し、7mgまたは最大14mgへ増量します。
- ● 投与は起床後すぐに1錠を空腹で服用し、服薬後30分間は飲食・他薬禁止という制約があります。
- ● 消化器症状(吐き気・便秘など)が見られることがありますが、多くは軽度で一時的です。
- ● Husain M et al., NEJM 2019 にて、心血管安全性も確認されています(PIONEER 6試験)。
■ エビデンスの出典(代表例)
- ・Husain M, et al. Oral Semaglutide and Cardiovascular Outcomes. NEJM. 2019
- ・Rodriguez et al. Efficacy and safety of oral semaglutide. Lancet. 2019
- ・厚労省PMDA「リベルサス添付文書(PDF)」
- ・American Diabetes Association (ADA) 2023 ガイドライン
✅ リベルサスは注射不要なGLP-1製剤として、生活スタイルに適応しやすい選択肢です。
ただし服薬タイミングに制約があるため、服用ルールを守ることが効果発揮の鍵となります。
糖尿病治療におけるリベルサスの使用
💊 リベルサスとは?
リベルサス(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬として初の経口剤です。
注射ではなく錠剤で服用できる2型糖尿病治療薬として、利便性が高いのが特徴です。
🧪 臨床試験と効果
- ・PIONEER試験では、HbA1cの改善(最大 -1.5%)と体重減少(平均3〜5kg)が確認されています。
- ・心血管疾患を有する患者にも安全性が確認されており、SGLT2阻害薬などと並び重要な選択肢です。
⚠ 禁忌・注意点
- ・服用は空腹時に1錠、水120mL以下で飲み、その後30分は飲食・他薬を避ける必要があります。
- ・甲状腺髄様がんの既往または家族歴がある方
- ・多発性内分泌腫瘍症候群(MEN2型)
- ・妊娠中・授乳中の方
- ・使用初期に吐き気・下痢・便秘などの消化器症状が起こる場合があります
❓ よくある質問(Q&A)
Q. リベルサスはどのように使いますか?
Q. 体重も減りますか?
Q. 飲み忘れた場合はどうすれば?
次の日に持ち越すことは避け、無理に2回分を飲まないようご注意ください。
Q. 他の薬と併用できますか?
特にSU薬やインスリンと併用する場合は低血糖のリスクにご注意ください。
🔗 関連リンク
体重減少を目的としたGLP-1製剤の活用について
血糖コントロールと合併症予防のために
💊 リベルサスの薬価と自己負担について
リベルサス(一般名:セマグルチド)は、GLP-1受容体作動薬としては初の経口剤で、2型糖尿病の治療に使用されます。
以下は、各用量ごとの薬価と3割・1割負担時の自己負担額の目安です(2024年時点)。
■ 保険診療での薬価(2024年改定時点)
製剤名 | 薬価(1錠) | 3割負担 | 1割負担 |
---|---|---|---|
リベルサス錠 3mg | 139.6円 | 約42円 | 約14円 |
リベルサス錠 7mg | 325.7円 | 約98円 | 約33円 |
リベルサス錠 14mg | 488.5円 | 約147円 | 約49円 |
■ 自己負担の目安(1日1錠使用時)
- ● 3割負担の方: 約42〜147円/日
- ● 1割負担(高齢者など): 約14〜49円/日
- ※ 診察料・血液検査・指導料などは別途かかります
✅ リベルサスは注射を使わずにGLP-1製剤の効果を得られる革新的な治療薬です。
ただし、服用方法(空腹時に飲水量制限付き)が厳格であり、医師の指導のもと正しく継続することが重要です。
👨⚕️ 医師からのコメント・監修

「リベルサス(セマグルチド経口剤)は、GLP-1受容体作動薬として初の内服可能な治療薬です。
注射が苦手な方や、より手軽に始めたい患者様にとって、画期的な選択肢となります。」
GLP-1製剤はもともと注射剤として発展してきましたが、リベルサスの登場により、服薬アドヒアランスや心理的ハードルの低下が期待できるようになりました。
正しい服薬タイミングを守ることが重要ですが、科学的根拠に基づく体重・血糖の改善効果は注射製剤と同等レベルに近づきつつあります。
0th CLINIC 日本橋 院長
日本病理学会認定 病理専門医/元外科専門医/慢性疾患・代謝疾患に関する診療経験多数
関連コラム
ただいま準備中です。少々お待ちください。